愛犬を亡くした約9割がペットロスを経験…。かけられて嫌な言葉や、新しいわんちゃんはお迎えする?など徹底調査【愛犬を見送った325人にアンケート】
愛犬を亡くした経験のある325人を対象に「ペットロス」に関するアンケートを実施し、愛犬が亡くなったときの状況や周りからかけられて嫌だった言葉、救われた言葉などリアルな実情を調査しました。
- 調査概要
調査方法:インターネット調査
アンケート対象:全国の犬を見送ったことのある10~60代の325名(男性100名 / 女性225名)
アンケート実施期間:2021年7月3日~7月4日
- アンケート項目
Q2:愛犬が亡くなったときの愛犬の年齢を教えてください
Q3:愛犬を看取ることはできましたか?
Q4:「ペットロス」という言葉を知っていますか?
Q5:愛犬を亡くしてペットロスになったことはありますか?
Q6:ペットロス症候群になったことはありますか?
Q7:現在わんちゃんを飼っていますか?
Q8:愛犬を亡くしたときどんなことが辛かったですか?
Q9:愛犬を亡くして気を紛らわせるためにしていたことがあれば教えてください
Q10:周りからかけられた言葉で嫌だったことがあれば教えてください
Q11:周りからかけられた言葉で心がラクになったことがあれば教えてください
Q12:もし今、亡くなった愛犬に手紙を出す(言葉をかける)としたらどんなことを伝えたいですか?
Q13:芸能人や有名人でペットロスになったことがあると聞いたことがある人はその有名人の名前を教えてください
- 「ペットロス」って知ってる?
■「ペットロス」の認知について
・知っていた:91.1%(296人)
・知らなかった:8.9%(29人)
「ペットロス」という言葉を「知っていた」と回答した人は91.1%でした。
ペットロスははるか以前からありましたが、広辞苑の第6版に「ペットロス」と掲載された2008年頃(※1)から言葉としての知名度があがったと考えられています。
今では書籍やテレビ番組、有名人の発信するSNSにも「ペットロス」という言葉が出てくるため、さまざまなものを見たり聞いたりして9割以上の人が「ペットロス」という言葉を認知しているようです。
【ペットロスとは】
愛犬を亡くしたという飼い主さん自身の体験や亡くしたことによる悲しみのこと。ペットと暮らす人ならば誰もが起こりうることで正常な反応
【ペットロス症候群とは】
ペットロスの重症化。愛犬を亡くした悲しみのダメージによって、精神的や身体的にさまざまな症状が現れること(※2)
(※1)参考:日本におけるペットロス研究の動向と展望ーhttps://ynu.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=9638&item_no=1&attribute_id=20&file_no=1
(※2)参考:日本医師会「ペットロス症候群」ーhttp://www.kagoshima.med.or.jp/people/topic/H17/201.htm
- 愛犬の最期を看取ることができた人は?
■愛犬の看取りについて
・看取ることができた:59.7%(194人)
・看取ることができなかった:40.3%(131人)
愛犬のことを「看取ることができた」と回答した人は59.7%でした。
大切な愛犬の死を看取りたいと考えているわんちゃんの飼い主さんは多いですが、タイミングや状況によっては看取ることができないこともあります。
実際、「看取ることができなかった」と回答した人は40.3%おり、そのときに感じたそれぞれの胸の内を明かしてくれました。
- 看取ることができなかった人がそのとき感じたことは「1人で逝かせてごめんね」
「看取ることができなかった」と回答した人が愛犬の最期に立ち会えずに感じたことで多かったのは「後悔しかない」「申し訳ない」でした。実際のコメントをご紹介します。
「1人きりで逝ってしまったのだと思うと、胸が締め付けられるような気持ちになりました」(女性 / 30代)
「かなしかったが、最後をみていないので、現在でも生きている気がしてならない」(女性 / 30代)
「最後の瞬間に都合悪く残業しており、とても悔いたが、もしかすると愛犬は死に際を私に見せたくなかったのかなとも思った」(女性 / 20代)
コメントの中には、わんちゃんが家を飛び出して交通事故にあったという連絡で亡くなったことを知ったという人がいたり、ちょっと目を離したすきに亡くなったという人も。
死はいつ訪れるかわからず予測するのは難しいことですが、ほとんどの人は愛犬を看取れなかったことを今でも後悔しているようです。
- ペットロスになったことがある人は?
■ペットロスの経験について
・あるが現在は落ち着いている:81.2%(264人)
・ない:9.8%(32人)
・現在もペットロス:8.9%(29人)
ペットロスの経験について最も多い回答は「あるが現在は落ち着いている」81.2%でした。
「現在もペットロス」と回答した人は8.9%いるため、「あるが現在は落ち着いている」と回答した人と合わせると9割以上の人はペットロスを経験しているようです。
ペットロスは誰でもなりうる可能性があり、正常な反応であることから多くの人がペットロスとなっても不思議なことではないでしょう。
- ペットロスが重症化してしまった人は?
■ペットロス症候群の経験について
・ない:69.8%(227人)
・あるが現在は落ち着いている:26.2%(85人)
・現在もペットロス症候群の症状がある:4.0%(13人)
ペットロス症候群の経験で最も多い回答は「ない」69.8%でした。
しかし、「あるが現在は落ち着いている」26.2%や、「現在もペットロス症候群の症状がある」と回答した人が4.0%もいることから、ペットロスが重症化してしまう人も3割程度いることがわかります。
考え方や捉え方は人それぞれ異なり、悲しみの度合いも違いますが、ペットロス症候群は日常生活に支障をきたしたり自ら命を絶つ人もいるため、ペットロスが深刻な問題を抱えてしまうこともあることをしっかり理解しておかなければなりません。
- 愛犬の看取りとペットロスの関係を分析!
■看取ることができた:194人
・ペットロスの経験あり:82.5%(160人)
・ない8.8%(17人)
・現在もペットロス8.8%(17人)
■看取ることができなかった:131人
・ペットロスの経験あり:79.4%(104人)
・ない:11.5%(15人)
・現在もペットロス:9.2%(12人)
■看取ることができた:194人
・ない:62.4%(121人)
・ペットロス症候群の経験あり:34.0%(66人)
・現在も症状がある:3.6%(7人)
■看取ることができなかった:131人
・ない:80.9%(106人)
・ペットロス症候群の経験あり:14.5%(19人)
・現在も症状がある:4.6%(6人)
愛犬を看取ることができた人も看取ることができなかった人も、ペットロスの経験の有無にそこまで大きな差はありませんでした。
また、看取ることができた人のほうがペットロス症候群になった割合が多く、実際に愛犬の命が消えていくのを目にするショックは大きいと推測できます。
しかし、現在もペットロスやペットロス症候群の症状がある割合は、看取ることができなかった人のほうが若干多いことから、看取れなかった後悔というものがいつまでも克服できない要因の1つになっているのかもしれません。
- 亡くなったときの愛犬の年齢も関係あるのかも分析してみた
■現在もペットロス:29人
5歳(1人) / 8歳(2人) / 9歳(1人) / 11歳(2人) / 12歳(2人) / 13歳(2人) / 14歳(5人) / 15歳(4人) / 16歳(5人) / 17歳(3人) / 18歳(1人) / 19歳(1人)
■現在もペットロス症候群の症状がある:13人
5歳(1人) / 8歳(1人) / 11歳(1人) / 12歳(2人) / 14歳(3人) / 15歳(3人) / 16歳(1人) / 19歳(1人)
【亡くなったときの愛犬の年齢(全体)】
1歳(3人) / 2歳(3人) / 3歳(3人) / 4歳(1人) / 5歳(10人) / 6歳(3人) / 7歳(4人) / 8歳(11人) / 9歳(14人) / 10歳(30人) / 11歳(18人) / 12歳(32人) / 13歳(47人) / 14歳(34人) / 15歳(31人) / 16歳(35人) / 17歳(25人) / 18歳(11人) / 19歳(4人) / 20歳以上(6人)
今回のアンケートには、亡くなった年齢が1歳から20歳以上のわんちゃんを飼っていた人が協力してくれましたが、現在もペットロスやペットロス症候群の症状があると回答した人のわんちゃんの年齢は11歳以上が多いようです。
わんちゃんもシニアになると手がかかるようになり、長年一緒に暮らしてきた上、いろいろと手をかけてあげていることで亡くなったときの悲しみも深いのかもしれません。
また、逆に18歳以上のわんちゃんを亡くした人が現在もペットロスやペットロス症候群ではないことを見ると、長生きしてくれた、大往生したという気持ちで見送ることができたと推測できます。
今回のアンケートでは愛犬が亡くなった時期も聞いてみましたが、ペットロスやペットロス症候群にはいつなくなったかは関係ありませんでした。
- 愛犬を亡くして辛かったことは「喪失感に襲われた」
愛犬を亡くして辛かったことで多かったのは「亡くなったことを実感したとき」「後悔がこみあげてきた」でした。実際のコメントをご紹介します。
「やはりいくら動物といえども大切な家族。一緒にずっと生活を共にしてきた自宅の至る所に思い出が染み付いている。自宅に戻った時、いつも喜んで迎えにきた姿がない。一緒に寝ていた温もりが消えてしまった」(女性 / 50代)
「もっと一緒に遊んであげればよかった、もっと散歩にたくさん連れていってあげればよかった、と後悔ばかりが浮かんできたことが辛かったです」(女性 / 30代)
「亡くしてすぐは、楽しかった思い出が脳裏によみがえる時がしょっちゅうあったのがつらかったです」(男性 / 40代)
どのコメントも「喪失感」や「後悔」が感じられ、わんちゃんがどれだけ愛されていたかが伝わってくる内容ばかりでした。
当たり前の日常が実は当たり前でないことは、わんちゃんの元気な姿を見ていると忘れてしまいがちですが、いなくなって改めてその日常が素晴らしいものであったことに気づくのかもしれません。
- どんなことをして気を紛らわせた?
愛犬を亡くした人が気を紛らわせたことで多かったのは「趣味や仕事に没頭」「愛犬の写真を見る」でした。実際のコメントをご紹介します。
「亡くなった犬そっくりのぬいぐるみを買いました」(男性 / 40代)
「できるだけ外出するようにしました。普段から交友関係が広い方ではなかったのですが、数少ない友人と無理やり会う約束をし、少しでも愛犬を忘れる時間を作るようにしました。友人と他愛もない話をしている時だけは、気が紛れたような気がします」(女性 / 40代)
「撮りためていた愛犬の写真や動画を見ていました」(男性 / 30代)
コメントの中には、「気を紛らわすと死から逃げているようで何もせず泣いていた」「何をしても気が紛れることはない」というものもあり、みなさんそれぞれ自分に合った方法で愛犬の死を受け入れる努力をしたようです。
- 現在わんちゃんと生活している?
■わんちゃんを飼っている状況について
・飼っていない:62.5%(203人)
・飼っている:37.5%(122人)
わんちゃんを「飼っていない」と回答した人は62.5%でした。
6割以上の人が愛犬を亡くしてからわんちゃんを飼っていないことになりますが、愛犬を亡くした経験のある人にとって再びわんちゃんと生活することは難しいことなのでしょうか。
わんちゃんを飼っていない人と飼っている人のそれぞれのコメントをご紹介します。
- 「もう悲しい思いはしたくない」「別れが辛い」からわんちゃんは飼わない!
「ただ知識も経験も無いまま可愛いと言うだけで大型犬を飼ってしまい、本当に可哀想な最期だったので後悔しか残っていない為もう、わんちゃんは飼えないと思いました」(女性 / 50代)
「とてもヤキモチ焼きな子だったので他の子をお迎えすることを嫌がるような気がして飼っていません」(女性 / 20代)
「やはり別れが来るのがつらくて飼う気になりません」(男性 / 50代)
愛犬を亡くしてからわんちゃんを飼っていない人の多くが、「あんなに辛い思いはしたくない」と思っているようです。
また、「亡くなった愛犬に悪い」「亡くなった愛犬以上の子はいない」と言ったコメントも見られ、今でもわんちゃんを想う気持ちが伝わってきました。
- わんちゃんを飼っているのは「運命を感じた」「救える命」だから!
「新しく飼い始めたわけではなく、もともと2頭飼っていた」(男性 / 60代)
「犬のいない生活が考えられなかった事が一番の理由で、先代犬が亡くなって4ヶ月程経った頃にたまたま今の犬(保護犬)と出会ったので飼うことにしました。その後、やはり先代犬と同じ犬種の犬が欲しくなり新たに1匹迎える事にし、ペットショップで購入しました」(女性 / 40代)
「寂しさを癒すために、ワンちゃんの(柴犬限定)ネットサーフィンしていたら亡くなった子とよく似ている子が里親探しのページにありすぐに連絡し対面させてもらい、気に入りうちに来てもらうことになりました。それと、運命を感じたのがペットホテルに行った時に亡くなった子と同じ団体で生まれたことでした。運命を感じました」(女性 / 60代)
わんちゃんを飼っている人では、もともと多頭飼いをしている人も多く見られましたが、「飼うつもりはなかったが殺処分寸前だった」「亡くなったときは辛いが、それ以上の幸せをくれる存在」といったコメントも見られ、亡くなった愛犬を想いつつ新しい命を迎え入れる決断をしているようです。
- 愛犬を亡くしたとき「また新しい犬を飼えば」なんて言葉は聞きたくない!
わんちゃんを亡くした人にかける言葉は慎重に選ばなければ、悲しみや後悔の気持ちをますます追い込んでしまうことになりかねません。愛犬を亡くしたときにかけられた言葉で嫌だったことのリアルなコメントをご紹介します。
「心臓が悪かったので、もっと早く病院に行けばよかったのにと言われた事」(女性 / 50代)
「『また飼えばいいやん』って言われたのがものすごく腹が立ちました。死んだわんこにはもう二度会えないのにって思いました」(女性 / 40代)
「5年で亡くなったので、育て方が悪かったんじゃないか?うちの犬は10年以上生きていたと言われたこと」(女性 / 30代)
「犬を飼っていない人から、厄介者がいなくなって良かったね、と言われムッときました」(男性 / 40代)
「苦しませるくらいなら安楽死させたら良かったのにと言われた」(女性 / 30代)
「これから気兼ねなく旅行とかに行けるねと言われた時はとても嫌な気分になりました」(女性 / 30代)
「ペットが亡くなったくらいで泣くなと言われたことは嫌な気持ちになりました」(男性 / 20代)
「ペットを飼ったことのない人に『しっかり!早く立ち直って!』と言われたことです。気持ちにより沿ってもらえた気がしなかったですし、腹が立ちました」(女性 / 30代)
「動物病院の診療費とエサ代浮くじゃない?と言われた事です」(女性 / 50代)
「葬儀をしたと言ったら、『犬のためにそんなことするの?』や『死んだらゴミと一緒』と言われたことです」(女性 / 40代)
「新しい犬を飼ったら?」「次何飼うの?」「たかが犬でしょ?」という言葉をかけられたことが嫌だったとコメントした人が多く、中には「寿命より早かったね」という信じられない言葉もありました。
どのコメントも家族の一員であるわんちゃんを亡くして悲しんでいる人に対する言葉とは思えず、思いやりが欠けているように感じます。言われたほうはその言葉で深く傷つくこともあり、ペットロスを助長することにもなるため言葉には十分に気を付けたいものですね。
- 愛犬を亡くしたときに言われて心がラクになった言葉は「幸せだったね」
わんちゃんを亡くした人に対して、どんな言葉をかけたらいいのでしょうか。愛犬を亡くしたときにかけられた言葉で心がラクになったことのコメントをご紹介します。
「『○○くん(犬の名前)は本当に幸せだっただろうね』です。彼も幸せだったんだな、私と同じ気持ちなんだなと思うと嬉しさと感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました」(女性 / 30代)
「かなしみはかなしみのままで、と声をかけてもらえたことが時間とともに心にしみました。うちに来て幸せだったね、と言ってもらえたのも嬉しかったです。よそのワンちゃんの飼い主さんが『○○君にはお世話になったね』と、その家のワンちゃんに声をかけて話しているのも救われた気がしました」(女性 / 40代)
「その子が愛されてたんだなぁってわかる様なことを言われると嬉しかったです」(男性 / 30代)
「あなたと暮らせて幸せだった」「愛されていた」「大切にされていた」という言葉で心がラクになったというコメントが多かったですが、「言葉ではなくそっとしておいてくれたこと」と回答した人もたくさんいました。
言葉でわんちゃんを亡くした悲しみが癒えるわけではありませんが、愛犬を想う気持ちを汲んでもらえる言葉をかけられると少し心がラクになるのかもしれません。
また、『虹の橋』の詩(※3)を知って救われたという人もおり、わんちゃんを亡くした人の心に寄り添った詩は、「亡くなった愛犬が元気に虹の橋のたもとに今も存在している」という夢や希望を与えてくれているようです。